シャトー・ド・サントネイ ブルゴーニュ コート・ドール クロ・フィリップ・ル・アルディ ルージュ 2017
2016年までオート・コートド・ボーヌだったものを2017年から認められた新しいAOCのブルゴーニュ・コート・ドールに変更したキュヴェ。サン・トーバンの丘にあるモノポール畑。
テイスティング・コメント
光沢のある赤紫色。ラズベリーやブルーベリー、カシスなど野性味のある力強い果実香が印象的で、続いてリコリスや下草、バニラ、モカ、トーストのニュアンスが現れる。表情が豊かで濃縮感が漂うアロマ。時間の経過とともにその芳香は勢いを増していく。口に含むとなめらかで、たっぷりとした果実感。集中度が極めて高く濃密な味わいながら、タンニンは穏やかで綺麗に溶け込んでいる。親しみやすさがありヴィヴィットで、熟した風味・仄かな甘みを感じつつドライ感がある。柔らかなフルボディ。果実のフレーヴァーに富んでおり長く続く余韻をもつ。合わせるお料理は、鴨とポルチーニ茸のパエリア、ローストポーク、仔牛の煮込み料理、エスカルゴなど。
2019年8月試飲(2016年ヴィンテージ)
シャトー・ド・サントネイ
ブルゴーニュ公国の初代公王、フィリップ・ル・アルディ(豪胆公)が1395年に発した勅令は、その後のブルゴーニュにとってたいへん画期的なものとなりました。公王はブルゴーニュの畑からガメイを引き抜き、より高貴なピノ・ノワールを植えるよう奨励したのです。
当時はディジョンに玉座を置いていたフィリップ豪胆公でしたが、公王が所有していた城のひとつに、サントネイ村の”シャトー・ド・サントネイ”があります。人々は愛着を込めてこの城を、”シャトー・フィリップ・ル・アルディ”と呼びます。
今日、シャトー・ド・サントネイはクレディ・アグリコール・グループの傘下となり、潤沢な資金の元で発展を続けています。ブドウ畑は、お膝元のサントネイのほか、ボーヌ、アロース・コルトン、ポマール、サントーバン、オート・コート・ド・ボーヌに広がり、さらにコート・シャロネーズのメルキュレ、そしてグラン・クリュのクロ・ド・ヴージョまで、ドメーヌの総面積は97ヘクタールにも達します。
ドメーヌでは、この広大な畑を除草剤に頼らず耕作するとともに、草生栽培を施して、土壌の微生物層を活性化。”カリテ・フランス”と”テラ・ヴィティス”の認証を受けたビオロジック栽培を実践しています。
また、ワイン醸造は伝統的な手法を取りながらも、空気式圧搾機や自動ピジャージュなど、つねに最新の設備を投入。醸造責任者であるジェラール・ファニョーニの監督下、アペラシオンごとにテロワールの特徴を最大限引き出すべく、最適な醸造が行われています。
細心の注意をもって栽培、醸造されたシャトー・ド・サントネイのワインを味わえば、4人の公王により繁栄を誇った、14世紀から15世紀の偉大なブルゴーニュを思い描くことができるでしょう。