ボデガ イヌリエータ クアトロシエントス クリアンサ 2020
「クアトロシエントス」とは400の意味で、葡萄を海抜400mの畑から収穫していることを意味します。標高が高くなるにつれて石が多くみられるようになります。石灰岩を多く含む粘土質土壌です。カベルネとメルロは非常にパワフル。シラーはフレッシュさを保ちます。樽で約12ヶ月~14ヶ月熟成させます。赤いベリー系の果実、香りのよい木、スパイスがバランスよく混ざり合ったエレガントな香りです。生き生きとしてバランスがとれています。フレッシュで肉付きがよく、熟したタンニンからくるやさしい甘さがあります。余韻は長く、いつまでも飲み続けたくなるようなベルベットを思わせる口当たりです。他のキュヴェより樽熟成期間が長いので、より樽の要素を感じます。
テイスティング コメント
艶のある濃いガーネット。赤や黒のベリーフルーツ、ブラックペッパーやクローブなどのスパイスの香り。そして樽による熟成香、バニラや香木、チョコレートの香りなど。口に含むとフレッシュでなめらか。肉厚でベルベットのような柔らかな舌触りが特徴。熟した甘いタンニンが際立っており、ノルテ同様に濃厚な味わいながら酸がしっかり乗っている。スパイシーでエレガントな余韻。
合う料理 赤身肉のグリル、ジビエ、焼鳥、ビーフシチューなど。
2023年7月試飲
ボデガ イヌリエータ
牛追い祭りで有名なナバラ州の州都パンプローナから南へ約55kmにあるファルセスの郊外に、イヌリエータのボデガはあります。緑豊かで、風が強く風力発電が盛んな地域で、あちこちに強大な風力発電機を見ることが出来ます。イヌリエータという名前は、祖先が約100年前に葡萄を育てていた土地の呼び名で、ワインに対する情熱を持っていた祖先への賛辞として選びました。
畑は、元々がアルガ川だったため、石の多いのが特徴です。畑は海抜300mから500mの間の3つの異なった高度にあり、それぞれが違った土壌になっています。気候は恵まれていて、基本的に乾燥しており、気温も低めです。雨は多めなのですが、風が樹を乾燥させ、また夏の暑い時の気温を下げる働きもします。夏場にはボデガの前を流れるアルガ川の水を使い、必要最小限の量を一滴ずつ畑に落とします。
空調管理システムを完備した樽貯蔵庫では、5種類の違う樽を使用しています。3種類のフレンチオーク、2種類のアメリカンオークがあり、職人の手による違った樽を使うことにより、ワインに合わせて異なった樽のニュアンスが得られるようにしています。
ワイン造りのポリシーは、飲みやすいワイン(easy drinking)をリーズナブルな価格で提供すること。国や文化を問わず、誰にも愛される、親しみやすいワイン造りを目指しています。ナバラでソーヴィニヨン・ブラン100%のワインを造った最初の生産者です。他の生産者も真似てソーヴィニヨン ブランを植えたそうですが、満足いく品質に達している生産者はいないそうです。