ボデガ・イヌリエータ ミマオ ガルナッチャ 2016
マロラクティック発酵と熟成はフレンチオーク樽(新樽ではない)で行います。熟成は7ヶ月行います。花や果実のアロマの中にかすかにミネラルの要素が感じられます。よく熟していますが、同時にとてもフレッシュさもありなめらかで深みがあります。長い余韻の中に、ミネラルや熟したガルナッチャの果実味を感じます。
テイスティング・コメント
紫がかった深いルビー。粘性は高め。香りにはブラックベリーやプラム、ラズベリーソース、ラベンダー、ローズマリー、クローブ、スパイシーかつトースティーなオークのノート。ミネラルのヒントが果実のもつ鮮やかさ・華やかさを引き立たせほんのりと甘さが感じられる。ベリータルトのような魅惑的な芳香を放ち、広がりがある。口に含むとなめらかで生き生きとした果実感、やわらかで肉厚なボディ感を備える。よく熟しており、一見ジャミーな印象をもつが同時にフレッシュさもあり酸とのバランスが優れている。タンニンは丸く表情が豊か、高いアルコール分(15度)を嫌みに感じさせないまでの親しみやすさがある。口当たりの良さから見逃しがちになるが、それぞれの要素が綺麗に溶け込んでおりバランスの良さ、“一体感”という点で群を抜く。飲み応えのあるフルボディで余韻も長め、果実のフレーヴァーが持続する。合わせるお料理は、ラム肉のロースト、牛肉の煮込み料理、ソースを使った野菜・肉料理、レバニラ炒め、餃子、ラタトゥイユなど。
2018年6月試飲
ボデガ・イヌリエータ
牛追い祭りで有名なナバラ州の州都パンプローナから南へ約55kmにあるファルセスの郊外に、イヌリエータのボデガはあります。緑豊かで、風が強く風力発電が盛んな地域で、あちこちに強大な風力発電機を見ることが出来ます。イヌリエータという名前は、祖先が約100年前に葡萄を育てていた土地の呼び名で、ワインに対する情熱を持っていた祖先への賛辞として選びました。
畑は、元々がアルガ川だったため、石の多いのが特徴です。畑は海抜300mから500mの間の3つの異なった高度にあり、それぞれが違った土壌になっています。気候は恵まれていて、基本的に乾燥しており、気温も低めです。雨は多めなのですが、風が樹を乾燥させ、また夏の暑い時の気温を下げる働きもします。夏場にはボデガの前を流れるアルガ川の水を使い、必要最小限の量を一滴ずつ畑に落とします。
空調管理システムを完備した樽貯蔵庫では、5種類の違う樽を使用しています。3種類のフレンチオーク、2種類のアメリカンオークがあり、職人の手による違った樽を使うことにより、ワインに合わせて異なった樽のニュアンスが得られるようにしています。
ワイン造りのポリシーは、飲みやすいワイン(easy drinking)をリーズナブルな価格で提供すること。国や文化を問わず、誰にも愛される、親しみやすいワイン造りを目指しています。ナバラでソーヴィニヨン・ブラン100%のワインを造った最初の生産者です。他の生産者も真似てソーヴィニヨン・ブランを植えたそうですが、満足いく品質に達している生産者はいないそうです。