ボデガ・イヌリエータ アルトス・デ・イヌリエータ・レセルバ 2013
「アルトス」とは、高いという意味で、イヌリエータが所有する最も標高の高い傾斜地(450〜480m)の厳選した葡萄を使って造られています。フレンチオークのバリック(新樽)にて14ヶ月、その後瓶で24ヶ月熟成しています。ボトルで長く寝かせることで、タンニンを丸くし、市場に出てすぐ楽しめるようにしています。
テイスティング・コメント
深い色調、黒みが強いガーネット。粘性は高め。香りにはナツメグやクローブ、アニスなどのスパイシーな香りを基調に、ブラックベリーやブラックチェリー、ドライハーブ、トースティーなオークのノートがアクセント。タバコの葉、バニラやモカなどの芳しい香りが広がり、そしてレザーやタール、ベーコンの脂など次々とブーケが現われその複雑性を増していく。口に含むとなめらかでシルキーなテクスチャー。熟成を経てもなお果実味は瑞々しく凝縮した果実感で満たされる。濃厚な味わいながら適度に酸度(決して嫌みが無い)があり、過熟感のないエレガントな仕上がりで、バランスがとれている。熟したタンニンを果実味が包み込むように広がり、柔らかで、深いコクと長く続く余韻を持つ。合わせるお料理は、煮込み料理、トマトやミートソース系パスタ、ピッツァ、タパス、ジビエなど。
2018年6月試飲(2009年ヴィンテージ)
ボデガ・イヌリエータ
牛追い祭りで有名なナバラ州の州都パンプローナから南へ約55kmにあるファルセスの郊外に、イヌリエータのボデガはあります。緑豊かで、風が強く風力発電が盛んな地域で、あちこちに強大な風力発電機を見ることが出来ます。イヌリエータという名前は、祖先が約100年前に葡萄を育てていた土地の呼び名で、ワインに対する情熱を持っていた祖先への賛辞として選びました。
畑は、元々がアルガ川だったため、石の多いのが特徴です。畑は海抜300mから500mの間の3つの異なった高度にあり、それぞれが違った土壌になっています。気候は恵まれていて、基本的に乾燥しており、気温も低めです。雨は多めなのですが、風が樹を乾燥させ、また夏の暑い時の気温を下げる働きもします。夏場にはボデガの前を流れるアルガ川の水を使い、必要最小限の量を一滴ずつ畑に落とします。
空調管理システムを完備した樽貯蔵庫では、5種類の違う樽を使用しています。3種類のフレンチオーク、2種類のアメリカンオークがあり、職人の手による違った樽を使うことにより、ワインに合わせて異なった樽のニュアンスが得られるようにしています。
ワイン造りのポリシーは、飲みやすいワイン(easy drinking)をリーズナブルな価格で提供すること。国や文化を問わず、誰にも愛される、親しみやすいワイン造りを目指しています。ナバラでソーヴィニヨン・ブラン100%のワインを造った最初の生産者です。他の生産者も真似てソーヴィニヨン・ブランを植えたそうですが、満足いく品質に達している生産者はいないそうです。