モロー・ノーデ シャブリ 2018
土壌: 石の多い粘土石灰質 畑の位置: 東向きの丘の中腹
平均樹齢: 20年
醸造: 葡萄は完熟を待って手摘みで収穫し、その場ですぐに選果。ブドウは全粒圧搾で、ゆっくりと時間をかけて(3時間半)圧搾されます。その後、10~12時間かけて前清澄を施します。野生酵母による醗酵、熟成はステンレスタンクにてシュール・リーの状態で18か月です。
テイスティング・コメント
輝きのあるグリーンがかった淡いイエロー。レモンやグレープフルーツなどの柑橘類のフレッシュなアロマに、グリーンアップル、洋梨、僅かにミント、カルダモンの香り。そして塩味、火打石、石灰的なミネラルのヒント。さらに杏仁やシュール・リー由来のイーストのニュアンスが加わる。口に含むと爽やかでピュア。押し寄せるような豊かなミネラル感が印象的で、果肉を思わせるまでのジューシーさに満ち溢れる。透き通っていて、海風のような爽快感が堪らない。キレの良さを身上とするすっきりとしたフィニッシュ。全体にエレガントで、古き良き伝統とモダンの融合、バランスの良さが光る。合わせるお料理は、レモンを添えた生牡蠣、魚介や甲殻類の料理、フライ、寿司、繊細な食材を使った和食など。
2020年4月試飲
モロー・ノーデ
モロー・ノーデは17 世紀から続く家族経営のドメーヌです。1929 年、当時のドメーヌの当主アルフレッド・ノーデは、INAO のメンバーで、彼が中心となってシャブリのアペラシオンの境界の策定を行いました。その後、アルフレッドはシャブリのINAO 委員会の名誉会員となりました。1950 年にはMarie NAUDET マリー・ノーデがRene MOREAU ルネ・モローと結婚。ブドウ栽培に携わってきた2つの家系の名前を絶やさないために、ドメーヌ名をMOREAU NAUDET モロー・ノーデとしました。1968 年にRoger MOREAU ロジェ・モローがドメーヌに参画して1972 年にドメーヌを継承。1991 年にはStephane Moreau ステファン・モローがドメーヌに参画。2004 年のロジェの引退に伴い、ステファンが当主となり、現在の名声を築き上げました。
揺るぎないドメーヌの継続性とさらなる進化
しかし、2016 年夏にステファンが心臓発作で急逝。妻のヴィルジニがドメーヌを引き継ぎました。その直後にはドメーヌの今後を危ぶむ声もありましたが、欧米での評価は揺るぎませんでした。ドメーヌを率いるヴィルジニは『ステファンが築き上げてきたこれまでのドメーヌのスタイルを継承します。⻑年ドメーヌで仕事をしてきた栽培・醸造チームが一緒にいるので全く心配していません。スターは一人の個人ではなくドメーヌなのです。』と、ドメーヌとしての継続性を強調し、さらなる進化を誓っています。実際、ヴィルジニが率いるドメーヌのチームの結束力はステファンの急逝によってこれまで以上に高まり、ワイン造りに関しての細部へのこだわりは一層強くなりました。
ビオロジックを実践。選果基準は非常に高く厳格。
ドメーヌはビオやビオディナミの認証は受けていませんが、ビオロジックを実践し、20 年前から、殺虫剤、除草剤、防虫剤、防カビ剤などは一切使用していません。施肥を行う際も有機肥料のみを極僅かに施すのみです。また、一年に4〜6 回土を耕し、手作業で除草を行っています。収量は、春先の短小剪定と厳格な芽かき、そして摘心によって低く抑えています。一年を通じて、全ての区画で膨大な作業がありますが、ドメーヌではそれら全てを手作業で行い、シャブリのテロワールがワインの中に表現されるように最善の努力をしています。シャブリのテロワールが完璧に表現された果実のみをドメーヌのワインとして元詰するために、ドメーヌの選果基準は非常に高く厳格で、収穫されるブドウの実は1/2 以上がネゴシアンに売却されてしまいます。
世界各国の三ツ星、二ツ星レストランでオンリスト
モロー・ノーデのワインは、2017 年「世界のレストラン・ベスト50」で1 位に輝いたニューヨークの「イレブン・マディソン・パーク」やニューヨーク最高の三ッ星レストラン「ジャン・ジョルジュ」、カリフォルニアの三ッ星レストラン「フランチ・ランドリー」など、数多くの三ツ星、二ツ星レストランに、ラヴノーやドーヴィサと一緒にオンリストされています。
最上の葡萄のみを厳選して瓶詰め。極めて稀な長期熟成。
モロー・ノーデでは収穫された葡萄の、実に半分をネゴシアンに売却し、ドメーヌの高い基準に見合う葡萄のみを徹底的に厳選、非常に限られた数の元詰ワインだけをリリースしています。そして低い収量、シャブリとしては極めて稀な、コート・ドールの超一流生産者に比肩する最低18ヶ月にも及ぶ長期熟成による醸造を行っています。ワインには、味わいの純粋さと強烈さが表現されています。これは、試行錯誤の末、ドーヴィサに影響を受けたという、畑の耕耘、有機栽培、手摘み収穫、野生酵母による発酵、自然清澄、そして約4時間をかけてゆっくりと行う全粒圧搾、最低18ヶ月にも及ぶ熟成という独自のスタイルから生まれるものです。
2016年ヴィンテージも揺るぎ無く高評価!『ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス』2017年6月号掲載
・モロー・ノーデ 2016シャブリ“ヴァルミュール” 18-19/20点
(207本出品されたシャブリ・グラン・クリュの中で見事1位の評価。)
・モロー・ノーデ 2016シャブリ“フォレ” 17-18/20点
(58本出品されたシャブリ・プルミエ・クリュの中で見事1位の評価。)
・モロー・ノーデ 2016シャブリ“ヴァイヨン” 17-18/20点
(58本出品されたシャブリ・プルミエ・クリュの中で見事2位の評価。)