カンティーネ・コローシ コローシ・サリーナ・ロッソ 2017
醗酵:ステンレス・タンク
熟成:オーク樽熟成 8カ月(80HL)/瓶熟成 3カ月以上
テイスティング・コメント
濃い目のルビー。粘性は高め。香りには野生のチェリーやカシス、小粒の赤い実、八角、ペッパー、アールグレイを思わせ、軽くローストしたオークのノートがやさしく包み込むように広がる。上品な樽香にお香やシナモン、トーストの香り。そしてなめし革やカカオ、心地よい塩気を伴うミネラルが感じられる。アタックはソフトでなめらか。旨みがたっぷりとした非常にジューシーな果実味で濃縮感はあるも幾分軽やかなテクスチャー。キメ細かなタンニンが溶け込んでおり酸とのバランスが優れている。重すぎないエレガントな仕上がり。フルーティーさに加えて香り同様の野生味に溢れており果実味は伸びやか、瞬く間に口中を支配する。アルコール感が充実し余韻も長め。合わせるお料理は、牛肉のたたき、豚肉のソテー、マグロのオーブン焼きやカルパッチョ、茄子の肉詰め、クスクス、オリーブを使った料理など。
2017年12月試飲(2015年ヴィンテージ)
カンティーネ・コローシ
カンティーネ・コローシは3世代に渡ってワイン業界に関わってきました。シチリアのメッシーナにワイナリーを構え、現在はオーナーで、栽培・醸造全ての責任者であるピエロ・コローシの手で運営されています。ピエロのワイン造りの哲学は、正確に注意深くブドウを選別、近代的な施設で丁寧に醸造し、ラベルやボトル、カプセルに至るまで注意を払うこと。そして「品質と価格のバランス」を大切にしています。地元では知られたワイナリーでしたが、最近では海外との取引も増え、イタリア国内外問わず、多くのワイン専門誌で高い評価を得ています。
コローシのもう一つの魅力、世界自然遺産、サリーナ島の恵みのワイン!
世界自然遺産に認定されているエオリア諸島。シチリア州の北部に位置する主要7島で構成される火山性の諸島です。カンティーネ・コローシはその一つ、サリーナ島にも畑と醸造所を構えており代表的な生産者として知られています。サリーナ島のブドウ栽培は島の地形的にとても厳しい環境です。直径7km程の島ですがブドウ畑は海抜500m以上あり傾斜が30度以上の急斜面。機械は入れないため全て手作業で畑の手入れが行われます。
畑はサリーナ島の北部、カーポ・ファロ(Capo Faro)からポッリ(Porri)のにかけて約10haの畑を持ち、火山性土壌の特徴が出ているブドウ栽培に適した最高のエリアと考えられています。畑は段々畑になっていて(テラス式)昔の石垣を修復して使用しています。ブドウはネレッロ・マスカレーゼ、ネレッロ・カプッチョの他、インツォリア、カタラット、マルヴァジーアなどが栽培されています。エオリア諸島の景観を守るため、醸造所は小さく、島の石を使用し畑の中に隠れるような形で建てられています。サリーナ島で造られたワインは瓶詰所があるシチリア島に運ばれ瓶詰め、販売されています。