ビーニャ・ペレス・クルス ピルカス カベルネ・ソーヴィニヨン 2014
カベルネのスペシャリストが最良の区画のカベルネを選別して造る“トップ・キュヴェ”
アンデス山脈の麓にある標高500mの畑の中でも、最高の区画の葡萄を選別して造るペレス クルスのトップ・キュヴェ。この区画は、アンデスの山から崩れた石や土による崩積土と、川によって運ばれた砂利や丸石が多く見られる堆積土の両方が混ざる土壌です。この場所で育つ葡萄は、テロワールの個性が最もよく表れています。山からの土は、果実味と深みを与え、川からの土はスパイシーさ、フレッシュさ、そしてエレガンスを葡萄に与えます。収穫した葡萄は100%除梗します。熟成はフレンチオーク樽で14ヶ月、全体の50%に新樽、残りの50%に1年樽を使用しています。
テイスティング・コメント
エッジが赤紫がかった濃いルビー。深みがあり、粘性は高め。香りにはよく熟したラズベリーやプラム、カシスリキュール、ブラックペッパー、ミント、ほのかなハーブのノートが心地よいアクセント(特徴的なユーカリのアロマは控えめ)。樽香は上品で豊かな果実香をやさしく包み込むように広がり、バニラやナツメグ、杉、なめし革などの複雑なブーケをもたらしている。濃縮感に加えてミネラル感も十分にあり洗練された趣がある。アタックはなめらかで緻密な構造、辛口にして残糖を感じるも酸味がくっきりとしており締りが良い。タンニンは柔らかくしっとりとした舌触りで、厚みとともに粘性が感じられる。現時点においてとてもスムーズな飲み心地で、そのフレッシュな風味が抜群に美味しい。たっぷりとした旨みのあるフルボディ、エレガントに仕上がっておりアフターの余韻は長め、温かみがある。合わせるお料理は、牛、ラム肉のロースト(香草焼き)、ミートローフ、ビーフシチュー、焼き肉、すき焼き、チョリソーなど。
2018年8月試飲
ビーニャ・ペレス・クルス
1963年に初めて農地を購入。90年代に、葡萄を植えることを計画し、‘94年に初めて植樹しました。当初は他のワイナリーへ葡萄を販売していましたが、その頃からペレス・クルスの葡萄の評判は良かったので、自分たちで瓶詰めしようと決意し、6年に渡ってワイナリーの運営について学びました。
最初に葡萄を植える時は、60ヶ所に穴を掘って断面を見ながら、どの葡萄が適しているのか調査し、この土地で古くから葡萄作りをしていた人々の経験談からも学びとりました。現在は、地面にセンサーを差し込んで調査しています。既に葡萄を植えた160haを、このセンサーで見直しましたが、6haだけメルロをカルメネールに変更した以外はぴったりだったそうです。
かつて3,200本/haだった植密度は、現在は6,000本/haとなっています。葡萄の栽培には、土壌の調査は専門の業者に依頼し、その結果を参考にしながら、収穫時期の計画を立てています。収穫は早朝に全て手摘みで行います。一番葡萄の温度が下がるのが夜ではなく日の出の時だからです。酵母は全て人工酵母を使用。偶発酵母はリスクが高く、発酵が不完全なこともあり、品質を重視すると人工酵母の方が優れていると考えているからです。農薬は不使用です。硫黄を予防に使うことはありますが、他は何も必要としません。
造るのは赤ワインだけ
赤ワインだけ造るのは、アルト・マイポの気候、土壌が、黒葡萄の栽培に最も適しているからです。また、共通してローストしたハーブ、ローズマリー、ミントなどの香りがあるのは、アルト・マイポの特徴です。アンデス山脈から冷たい風が吹き降ろし、畑を冷やしてくれ、葡萄の熟成はゆっくりと進み、素晴らしいアロマが保たれるのです。