ゾンメラッハー・ドミーナ・トロッケン 2018
濃い色調ですが、やさしいタンニンと果実味を感じるマイルドな赤ワインです。ドミーナはポルトギーザー種とシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)種との交配品種で、フランケン地域のほかアール地域で主に栽培されています。
テイスティング・コメント
紫がかった濃いルビー。粘性は中程度より高め。香りには熟したラズベリーやブルーベリー、カシスなどの果実香が支配的でアイリス、ポプリ、軽いハーブのノートがアクセント。そしてカカオや樹皮、僅かにシナモンのニュアンスが感じられる。口に含むとなめらかで瞬く間にジューシーな果実味が広がり味わいはマイルド、中庸のボディ感をもつ。タンニンはやさしく溶け込んだ酸味が調和。口当たりの良さから幾分軽い印象を受け、同時にフルーティーで親しみやすいもの。飲み疲れることがなくピノ・ノワールに通じるようなエレガンスが感じられる(ミディアムからフルボディタイプ)。合わせるお料理は、ビーフシチュー、豚肉のリエット、ソーセージ類、パスタやピッツァなど。
2018年10月試飲(2016年ヴィンテージ)
ゾンメラッハ
ヨーロッパのハブ空港、フランクフルトのすぐ東。ライン支流であるマイン川沿いにフランケン地方は位置します。ヴュルツブルクを中心としたこの地域は観光地としても日本人にはなじみの深いロマンチック街道の出発地点でもあります。旧西ドイツのワイン産地の中では一番東に位置し、大陸性の厳しい寒暖の差があるこの地域では約1300年もの昔からワインが造られてきました。そのほとんどのワインがボックスボイテル(ヤギの袋)と呼ばれる独特の扁平型のボトルで瓶詰めされ、今でもその伝統が残っています。これは昔狩猟民族であったドイツ人が狩りに行く際に水筒として用いていた羊の睾丸袋の形に由来しており、すでに紀元前400年にはケルト人の墓から陶器として発掘されています。
ゾンメラッハ協同組合はドイツではめずらしく世界大戦前の1901年に設立された伝統ある醸造所です。2250名もの組合員に支えられています。近年特に組合員との連携を深め、徹底した収量規制等、品質にこだわる姿勢を明確に打ち出し、数々の栄誉を手にしている実力派の醸造所です。2006年にはドイツのワイン専門誌「Wine Wirtsschaft―ワイン・ヴィルツシャフト」にて最優秀共同組合に選ばれています。
ワインメーカーのマキシミリアン氏