ドメーヌ・シャンタル・レミー モレ・サン・ドニ クロ・デ・ロジエ 2012
醗酵:伝統式木製樽
熟成:オーク樽 22カ月
テイスティング・コメント
オレンジがかったガーネット。粘性は中程度。香りはチェリーブランデーにプラム、バラのドライフラワー、アールグレイ、リコリス、木樽由来のシナモンやバニラなどのスパイスのノート。そしてなめし革や苔、落ち葉、トリュフ、ジビエなどの熟成香が広がり、穏やかな印象の中、複雑で深淵なるブーケが魅了する。アタックはソフトでなめらか。キメ細かなタンニンと調和のとれた酸味、繊細だがしっかりとしたストラクチャーが感じられる。伸びやかでジューシー、集約した旨みがあり舌上から溢れんばかりに喉の奥へと流れ込む。果実味がバランスをとり、ボディ感が程よい。余韻は長く上向きで、芳醇な印象を与える。合わせるお料理は、仔羊や鴨肉のロースト、ジビエ、鶏肉の香草焼き、すき焼き、ソフトタイプの熟成チーズなど。
2018年12月試飲
ドメーヌ・シャンタル・レミー
偉大なるグラン・クリュの畑を3つ所有する名家
1820年に設立されて以来、家族経営を続けてきたレミー家。モレ・サン・ドニの単独所有畑「クロ・デ・ロジエ」を筆頭に、「クロ・ド・ラ・ロッシュ」や「シャンベルタン」などグラン・クリュの畑を3つも所有しているという名家です。モレ・サン・ドニに屋敷を構え、ブルゴーニュにおける偉大な歴史を今も紡ぎ続けています。
名家レミー家を引き継ぐ女流オーナー
1820年に設立された由緒あるドメーヌを引き継ぐ女性オーナー、シャンタル氏。2009年産より彼女の名前を冠したワインがリリースされています。物静かで知性的なシャンタル氏ですが、ワイナリーを継ぐために畑違いだった醸造学を修め、品質向上に努めるなどワインにかける情熱は本物です。
薔薇に彩られた幻の単独所有畑「クロ・デ・ロジエ」
ドメーヌの屋敷が構える側面に、まさに幻と言える畑があります。その名も「クロ・デ・ロジエ(薔薇)」。レミー家が単独所有する畑ですが、なんと2009年に初めてワインがリリースになるまで、レミー家の庭だった区画。しかもなんと、あの「クロ・デ・ランブレイ」や「クロ・ド・タール」といった錚々たる畑に囲まれているという、奇跡的な立地だったというから驚きです。以前は畑だったこともあり、レミー家が所有する古い書物にも記載が残っています。その後レミー家が薔薇を植え庭となっていましたが、シャンタル氏によってその圧倒的なポテンシャルを見いだされ、ワインがリリースされることになりました。