ラガール・ダ・コンデサ 2016
収穫は15kg入りのケースを使い、手摘みで行います。厳しく選別し、除梗した後、発酵前に、約5度の低温で短時間だけスキンコンタクトを行います。ニューマティックプレスでやわらかく圧搾し、醗酵の一部は500Lと600Lのフレンチオーク樽で、残りはステンレスタンクで行います。澱とともに、約3〜4ヶ月熟成させています。
評価
2016VT ジェームス・サックリング:90点獲得
2016VT ワイン・スペクテーター:90点獲得
テイスティング・コメント
淡い鮮やかなゴールド。粘性は中程度。新鮮なリンゴや洋梨、桃、パイン、パッションフルーツの香り。そしてレモン、グリーンハーブ、花の蜜、石、ミネラルのノートが混ざり合う。さらにバニラやアーモンドなど木樽由来の香りが加わりクリーミーかつ濃縮感が漂う。口に含むとスムーズでなめらか。広がりが豊かな果実味で、やや肉厚なボディ感。爽やかさとともにある、たっぷりとした旨みは澱との熟成に起因する。香り同様によく熟しミネラルと酸がしっかりとした緻密な構造をもつ。持続性のあるアフター、果実と酸の余韻が心地よく僅かに塩気を伴う。合わせるお料理は、サラダ、帆立とタコのカルパッチョ、海老や白身魚のグリル、フリット、貝の酒蒸し、トルティージャ(ジャガイモのスペイン風オムレツ)など。
2019年6月試飲
ラガール・ダ・コンデサ
旧来のフミーリャのイメージ刷新の立役者となった生産者、ボデガス・フアン・ヒル。ワイン・アドヴォケイトで極めて高い評価を受け、世界的な注目をフミーリャに向けさせました。ラガール・ダ・コンデサは、そのボデガス・フアン・ヒルをはじめとするヒル・ファミリー・エステーツのブランドの一つです。
ワインメーカーはダビド・ランディン氏。昔から、ワイン造りが盛んだったアルコス・ダ・コンデサ(Arcos da Condesa)村にあるボデガの周りに広がる畑の面積は、全体で18haあり標高は80~100m、土壌は70%が砂と花崗岩、20%が石灰質、10%が痩せた粘土質です。葡萄畑は南西向きで、風通しが良く、水はけのよい畑は、雨の多いこの地方での葡萄栽培に最適です。ファースト・ヴィンテージは2013年。ラガールは、ガルシア地方の言葉でワイナリー、コンデサは伯爵夫人の意味で、村の名前でもあります。
ヒル・ファミリー・エステーツ
現当主はミゲル・ヒル。9人兄弟の6番目です。1916年に曾祖父フアン・ヒル・ヒメンスがフミーリャにワイナリーを設立した時から歴史が始まります。その息子(ミゲルの祖父)ゲレロもワイン造りに関わり、孫にあたるゴンザレス(ミゲルの父)が引継ぎ、兄弟とともにワイナリーを強固なものになり、現在に至っています。
ヒル・ファミリー・エステーツでは各地に醸造・販売拠点を設けています。一つのワイナリーを大きくするのではなくて、質の高い小さなワイナリーを複数持つ方が、最終的に品質を高く保て、消費者に喜ばれると考えています。そのため、それぞれのワイナリーは D.O.も醸造責任者も違いますが、その営業活動から運営のコンセプトに至るまで、まるで一つの会社のように成り立っているのです。80%が輸出で、スペイン国内向けは20%です。
グループのワイナリーの共通のコンセプト
1.土着品種にこだわる
2.古い樹齢の保護と伝承
3.知名度は低くても、伝統的な上質なワイン地域への参入