ボデガス・トリデンテ トリデンテ・テンプラニーリョ 2016
標高800m、ドゥエロ河の堆積土から成る砂質土壌の畑はなんと30以上の区画に細かく分かれています。テンプラニーリョの樹齢は古く平均で70年、仕立てはゴブレです。収穫は、9月下旬から10月中旬にわたり、数回にわけて手摘みで行い、完熟した房だけを収穫します。発酵はステンレスタンク、熟成はフレンチオークの新樽で12ヶ月行います。ノンフィルター、ノンファイニング。
テイスティング・コメント
紫がかった濃いガーネット。黒みが強く深い色調、粘性は高め。香りには熟したブラックベリーやカシスリキュール、プルーン、タイムやブラックペッパーなどのスパイス、バルサミコ。加えてビターチョコやカカオ、バニラなどの樽由来の香り、タバコ、湿った土、落ち葉、ミネラルのニュアンスが複雑性を与え、洗練されつつも凝縮感がただよう。アタックは力強くなめらか。果実味は濃縮感のある黒系果実にスパイス、ココア、カカオの風味を思わせミネラリー、上品な酸味が調和。タンニンは豊富でふっくらとしており丸く、層状の深みやしっかりとした骨格を構築し味わいのバックボーンを支えている。野性味に溢れたモダンなスタイルで長期熟成のポテンシャルを秘める。現時点ではやや生硬でタニック、すぐ飲むのであればデカンタージュがオススメ。合わせるお料理は、赤や白身肉のグリル、シチュー、熟成したチーズなど。
ボデガス・トリデンテ
旧来のフミーリャのイメージ刷新の立役者となった生産者、ボデガス・フアン・ヒル。ワイン・アドヴォケイトで極めて高い評価を受け、世界的な注目をフミー リャに向けさせました。ボデガス・トリデンテはそのボデガス・フアン・ヒルをはじめとするヒル・ファミリー・エステーツのブランドの一つです。
ワインメーカーはフランク・ゴンザレス氏。彼は、フミーリャのスーパー・スパニッシュと絶賛されるボデガス・エル・ニド(ヒル・ファミリー・エステーツの一つ)で、オーストラリアの天才醸造家クリス・リングランドの助手として働いていました。フランクは、エノロゴの勉強をしてきたわけではありませんが、味覚が優れています。葡萄を食べて、葡萄の熟成具合を見極める能力が誰よりも勝っています。これは勉強して学べることではありません。総合エノロゴのバルトロが、彼の才能を買い、エノロゴとして育ててきました。
ヒル・ファミリー・エステーツ
現当主はミゲル・ヒル。9人兄弟の6番目です。1916年に曾祖父フアン・ヒル・ヒメンスがフミーリャにワイナリーを設立した時から歴史が始まります。その息子(ミゲルの祖父)ゲレロもワイン造りに関わり、孫にあたるゴンザレス(ミゲルの父)が引継ぎ、兄弟とともにワイナリーを強固なものになり、現在に至っています。
ヒル・ファミリー・エステーツでは各地に醸造・販売拠点を設けています。一つのワイナリーを大きくするのではなくて、質の高い小さなワイナリーを複数持つ方が、最終的に品質を高く保て、消費者に喜ばれると考えています。そのため、それぞれのワイナリーは D.O.も醸造責任者も違いますが、その営業活動から運営のコンセプトに至るまで、まるで一つの会社のように成り立っているのです。80%が輸出で、スペイン国内向けは20%です。
グループのワイナリーの共通のコンセプト
1.土着品種にこだわる
2.古い樹齢の保護と伝承
3.知名度は低くても、伝統的な上質なワイン地域への参入