ヒル・ファミリー・エステーツ オノロ・ベラ フミーリャ 2015
葡萄畑はフミーリャの北部、標高650~700mに位置し、いくつかの区画に分かれています。葡萄の平均樹齢は30年。石灰石主体に砂の混ざる土壌、表土はたいへん石が多く痩せた土なので、非常に凝縮された葡萄が出来ます。収量は非常に低く、24hl/ha。手摘みによる収穫。アルコール発酵は天然酵母を使い、25度以下にコントロールしながらステンレスタンクで15日間行います。豊かな果実味の中にスパイシーさがアクセントとなり、非常にバランスがとれた味わいです。
※ヒル・ファミリーがフミーリャに所有するボデガス フアン ヒルで造られます。
【テイスティング・コメント】
紫を帯びた濃い目のルビー。粘性は高め。香りにはブルーベリーやラズベリーなどの新鮮な果実香に桜、セージ、ペッパーや八角などのスパイスが混じり合う。そして微かにスモーキーなニュアンス、ミネラルの香りが洗練さを与える。アタックはソフトでなめらか。生き生きとした豊かな果実味が伸びやかに広がりとてもピュアな果実感、その中にもスパイシーさが感じられ、味わいはドライで甘辛のバランスがとれている。14.5度と高いアルコール度数はこのクラスとしては突出しているが果実味とよく馴染んでおり、酒質としては大変素晴らしいもの。口当たりがよくスイスイと杯が弾む故ある意味危険かな(笑)。ミディアムからフルボディ、アフターには心地よい渋みが残る。合わせるお料理は、肉料理や野菜炒め、パスタ、焼きそば、シチュー、ドレッシングサラダ、カマンベールチーズなどがおすすめ。
※2017年1月試飲
■ヒル・ファミリー・エステーツ
現当主はミゲル・ヒル。9人兄弟の6番目です。1916年に曾祖父フアン・ヒル・ヒメンスがフミーリャにワイナリーを設立した時から歴史が始まります。その息子(ミゲルの祖父)ゲレロもワイン造りに関わり、孫にあたるゴンザレス(ミゲルの父)が引継ぎ、兄弟とともにワイナリーを強固なものになり、現在に至っています。
ヒル・ファミリー・エステーツでは各地に醸造・販売拠点を設けています。一つのワイナリーを大きくするのではなくて、質の高い小さなワイナリーを複数持つ方が、最終的に品質を高く保て、消費者に喜ばれると考えています。そのため、それぞれのワイナリーは D.O.も醸造責任者も違いますが、その営業活動から運営のコンセプトに至るまで、まるで一つの会社のように成り立っているのです。80%が輸出で、スペイン国内向けは20%です。
グループのワイナリーの共通のコンセプト
1.土着品種にこだわる
2.古い樹齢の保護と伝承
3.知名度は低くても、伝統的な上質なワイン地域への参入
ミゲルはセラー全体の設計も行ないます。「簡単で効率の良い作業」「働きやすい環境」「コストを抑えること」を念頭に入れて設計しました。全てのワイナリーが、建物全体を温度コントロールできるようになっており、さらに部屋単位で冷房・暖房を入れ替えられるようになっています。