シャトー・ポタンサック 2003
【テイスティング・コメント】
エッジがオレンジがかった深いガーネット。粘性は中程度より高め。香りにはカシスやプラム、ブラックチェリー、ドライハーブ、ブラックペッパー、樽由来のバニラやチョコ、スモーク、杉、お香などの芳しさ。続いてタール、茸、皮革、湿った土のニュアンス。熟成による複雑なブーケが魅了する。アタックはソフトでなめらか。キメ細かなタンニンと溶け込んだ酸とのバランスがよく、果実味は厚みが感じられる。幾分豊満なボディ感、優れた骨格の中にも全体に丸みを帯びており立体的構造をもつ。純粋で、たっぷりとした旨みが口溶けのように広がり良い意味でクラシカル、味わいはとても滋味深いもの。格付シャトーに次ぐ品質、それは間違えようがなく余韻は長くエレガント。合わせるお料理は、牛フィレやラム肉のロースト、煮込みハンバーグ、ビーフシチュー、牡蠣フライなど。
※2017年7月試飲
■シャトー・ポタンサック
シャトー・ポタンサックは、銘醸レオヴィル・ラス・カーズやポムロールのヌナンのオーナーである“ドロン家”がメドックで所有するシャトーです。ポタンサックは2003年に行われたブルジョワクラスの見直しにて、ブルジョワ・エクセプショネルに格上げされておりメドック格付けシャトー並の品質があると高く評価されています。
シャトー・ポタンサック
講談社「BORDEAUX ボルドー 第4版」ロバート・パーカーJr.著より抜粋
1970年代半ばから、ボタンサックは、ミシェル・ドロンと(2000年からは)その息子ジャン=ユベール(サン=ジュリアンの名高いレオヴイル=ラス・カーズとポムロールのヌナンの所有者でもある)のひらめきある力強い指導力のもとで、明らかに格付けワイン並みの品質のワインをつくり上げてきた。この広大な畑は、サン・ティザンの近くに位置し、メドックのこの地区に見られる品質のレベルをはるかに超えたワインを産出しており、これはドロン家の人々とメートル・ド・シェ(醸造責任者)ミシェル・ロランの努力の腸物である。
ここのワインは、ドロンのワインの特徴である豊かさと、カシスとペリーのような個性を持ち、優れた骨組みがあり、すばらしい純粋さと、バランス、そして驚異的な熟成の可能性を示している。メドック北部のこの地域がこのような品質のワインを生産することはまれだが、ドロン家は一貫して、ポタンサックでこれをやり遂げている。
ドロンはまた、ポタンサックのセカンド・ラベルに相当する一群の畑をほかに所有している。数年前までポタンサックはいくぶん通向けのワインだったが、もはやそうではない。だが、このワインは、熱心なボルドーの愛好家なら試さなければおかしいとさえ言える、高品質なワインである。探すべきヴィンテージには、2001年、2000年、1998年、1996年、1995年などがある。