ドメーヌ・ロベール・シリュグ ブルゴーニュ ピノ・ノワール 2016
クロ・ド・ヴージョ下のレ・コンブという区画を中心に4ヶ所に点在し、総面積は約2ha。平均年産15000本。3~5年使用した樽で18ヶ月程熟成後、ステンレスタンクでアッサンブラージュして、1ヶ月程度落ち着かせてから瓶詰め。ACブルゴーニュの枠を大きく越えた1本。
テイスティング・コメント
美しく、赤みが映えるルビー。粘性は中程度。香りはストロベリー、レッドチェリー、牡丹のアロマにローズヒップやドライハーブ、軽いロースト香がアクセント。そして艶やかなミネラルのニュアンス。構成は明確で真にピュア、それでいて品が良く奥床し慎みが感じられる。口に含むとソフトでなめらか。瑞々しく、ふんわりと流れるようにしなやかで、絶妙の甘辛度、輪郭は丸く酸とのバランスが優れている。穏やかで透明感があり、いわゆる綺麗系のピノ。エレガントかつ繊細なタッチで幾分軽さはあるが、そこにしっかりと滋味がある。クリアーな中にも集約感を覚え、広がりのあるアフター、飲むほどに美味しく“優しさ”が印象に残る。合わせるお料理は、牛フィレ肉のソテー、鴨肉のロースト、北京ダック、鶏肉の香草焼きやトマト煮、寿司、パスタなど。
2018年12月試飲
ドメーヌ・ロベール・シリュグ
創業1960年、ドメーヌ・ロベール・シリュグはブルゴーニュ地方ヴォーヌ・ロマネ村を本拠とする生産者です。化学薬品を使用しない害虫対策など人為的で化学的な介入を厳しく制限することで、地球環境に配慮した高品質なワインを生み出す為の真摯な取り組みが随所に見られます。(平均樹齢は34年~40年)。働くスタッフにも女性が多く、ワインにも女性らしい繊細さが表れています。収穫は40人もの人員を動員し、全て手作業で行っています。(100%除梗)。
近年、クラシックなスタイルからエレガンス感溢れるスタイルへと見事な変貌を遂げ、新たなファンの獲得につながっています。最近の試みとしては収穫した葡萄をなるべく潰さないよう醗酵槽に入れ、果汁を疲れさせないようポンプの使用を避けバケツでの移動、ピジャージュの回数を減らすなど、より昔ながらの手法に切り替える事で功を奏しています。人為的な介入を制限することで本来のポテンシャルを十分に発揮し、純粋でエレガント、ジューシーで果実味溢れるスタイルを見事に表現しています。
数年前からDRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)が使用しているものと同じ選別機械を導入したことにより、ヴィンテージの出来に関わらず、雑味や青味のない甘く熟した果実だけを選別できるようになり、品質が飛躍的に向上しました。その味わいはワイン評価誌などで高く評価されており、今後、目の離せない造り手としてさらなる注目を集めています。