オー・ピエ・デュ・モン・ショーヴ シャサーニュ・モンラッシェ プルミエ・クリュ レ・ヴェルジェ 2014
レ・ヴェルジェの区画はシャサーニュの中でもピュリニーに近い村北部に位置し、標高255~270mのモンラッシェと同等の標高とテロワールをもちます。同アペラシオンの一級畑の中でもエレガントで洗練されたワインが生まれます。
畑:東〜南東向き。白色泥灰土。標高260m。平均樹齢:50年
醸造:手摘みで収穫後、選果台で厳しく選果し空圧式プレス機で2時間半かけ圧搾。室温で12時間のデブルバージュを行い、アルコール発酵のため樽へ。アルコール発酵には1ヶ月かけ、続いて木樽へと移し15ヶ月間熟成。新樽が30%、残り70%は1〜3年樽。樽熟成が終わると空気に触れないようにステンレスタンクへと移し2ヶ月休ませ、軽くフィルターを掛け瓶詰め。
テイスティング・コメント
輝きのあるグリーンがかった淡いレモンイエロー。粘性は高め。香りにはリンゴや洋梨、白桃、柑橘類の花、サンザシ、アニス、ホワイトペッパー、ミネラル、樽熟由来のバニラやスパイシーなオークのノートが混じり合う。洗練された趣があり、時間の経過とともに現れるトーストやバター、焦がしキャラメルなどの香りがボリューム感と奥行を与える。魅力的で豊かなブーケが立ち上る。アタックはソフトでなめらか。豊富なミネラルを伴うも、とても柔らかく果実味が染み入るように口中に広がる。酸味は穏やかで品が良く、甘辛度が絶妙なハーモニーを奏で、リンゴと洋梨、シトラスを思わせる心地よい風味にヘーゼルナッツやロースト感のあるオークの要素が心地よいアクセント。芳醇にして味わいは重くなくエレガントな仕上がり。長く続くアフターには果実とミネラルが絡み合う優美な余韻。合わせるお料理は、伊勢海老やオマールの蒸し焼き、グリルした魚料理、帆立貝のクリーム煮、ホワイトソースを使った白身肉の料理、エリンギのソテー、中華など。
2018年4月試飲
オー・ピエ・デュ・モン・ショーヴ
オー・ピエ・デュ・モン・ショーヴは、シャサーニュ村に本拠地を置き、当主はフランシーヌ・ピカール女史。シャトー・ド・シャサーニュ・モンラッシェを所有する大手メゾン、ファミーユ・ピカール社の娘です。フランシーヌは同社が所有する畑の中から最良の区画のみを選出し、実験的にビオロジック・ビオディナミ栽培を実践してきました。それらの畑をメゾン部門と完全に切り離し、高品質のワインを生産するドメーヌを創立する構想が持ち上がりました。
フランシーヌがまず行なったのは、メゾンの醸造スタイルを一新し、ワインの品質を飛躍的に向上させる事でした。約2年間の歳月を費やし、新生Famille Picardとしてまずメゾンを見事再スタートさせました。そしてこれを機に、今まではメゾンのワインにブレンドされていたピュリニーやシャサーニュ等の最良の畑を携え、メゾンとは全く独立させた形でドメーヌを立ち上げたのです。こうしてメゾン・ピカールの3代目フランシーヌ女史を当主にドメーヌ・オー・ピエ・デュ・モン・ショーヴが誕生しました。ファーストヴィンテージは2010年です。
ドメーヌの所在はシャサーニュ・モンラッシェ村。栽培醸造はフランシーヌ・ピカール氏とメゾン新生の立役者でもあるファブリス・レーン氏などを含む4名のスタッフで行われます。ファブリス氏はBouchard Pere & Fils社で白ワインの醸造責任者を歴任。その後、Maison Nicolas Potelでニコラ・ポテル氏の片腕として辣腕をふるい、退社後、それまでの華々しい経歴をかわれドメーヌに招聘されました。サン・トーバン、シャサーニュ、ピュリニーに15haの葡萄畑を所有し、レ・ヴェルジェ、レ・カイユレ、ル・ドモワゼルなどの1級畑はベルナール・コランから買い取りました。手付かずの自然の状態であった畑を、2006年よりドゥ・セニュール氏(25年以上のキャリアを持つ南仏のビオディナミスト)をコンサルタントに迎え、ビオディナミ農法を慣行。一部のピノ・ノワールの畑を除き2013年にはすべての畑をビオディミに移行します。
フラッグシップとなる、PULIGNY MONTRACHET 1er LES DEMOISELLES/ピュリニー・モンラッシェ1級レ・ドモワゼルは特級畑のル・モンラッシェとシュヴァリエ・モンラッシェに隣接する最上級の区画。その昔は『レ・ドモワゼル・モンラッシェ』としてリリースされていた事実上のグランクリュです。イギリスの著名ワインジャーナリストJancis Robinson女史が既に大変高い評価をしており、また、R.Parker.comのテイスターのDavid Schildknecht氏、Michel Bettane氏等、世界を代表するジャーナリストが噂をききつけて、ドメーヌまで訪問をしています。今後、より一層注目を集める生産者の一人です。