レイモン・ジュリアン ル・サンドル ミネルヴォワ 2014
熟成には、600Lの新樽、1年樽、2年樽をそれぞれ1/3ずつ使用しています。とてもタンニンが強いのですが、果実の甘さ、厚みが一番感じられます。熟成して、さらに良くなるワインです。「Cendrous」は、『灰』を意味し、墨絵を思わせる、落ち着いたラベルです(元から縦に白く引っ掻いたような模様)。生産量は、3,000本限定です。
テイスティング・コメント
紫、黒みの強いガーネット。深みがあり、粘性は高め。香りにはブラックベリーやプラム、ラベンダー、ブラックオリーブ、ブラックペッパーが混じり合い、木樽由来のスモークやロースト香がアクセント。加えてタバコ、クローブやナツメグなどのスパイスの香りが広がり、カカオ、なめし革、ベーコンの脂、動物的なニュアンスが続く。アタックはなめらかで中庸の酸度、パワフルだが丸みを帯びており口当たりが良い。キメ細かなタンニンが溶け込み、柔軟でエレガントなテクスチャー、その中にもしっかりとした骨格が感じられる。味わいはリッチでコクがあり引き締まった酸の余韻が心地よい。アルコール分も充実している。合わせるお料理は、ペッパーを効かせた豚肉のロースト 赤ワインソース、鴨肉のロースト、ジビエ、レバー、マグロのソテー バルサミコソースなど。
2018年9月試飲
レイモン・ジュリアン
ミネルヴォワの中心バダン(Badens)村の生産者です。ドメーヌ名はシャトー・ミロス(Mirausse)です。現在は、生産量の1/3はネゴシアンなどに売り、残りを瓶詰めしています。土壌は石灰質で、その下40cmが石の土壌です。グルナッシュはこの土地に向かないとコンサルタントに言われましたが、自身の考えを貫き植樹したところ、最高のグルナッシュが出来ました。畑の作業は2人で行い、グリーンハーベストをしています。
現在ではあまり使用されない古典的な手法や、レイモンならではの独特の醸造法を用いてワイン造りをしています。葡萄のプレス機は1936年産の古典的なものを使用。メリットは葡萄を一度捕らえると放さないところで、シャトー・マルゴーや有名なシャンパーニュの生産者など、著名な生産者はこのプレス機に戻っています。また、レイモン自身がとても好きな味のワインに仕上がるという、マセラシオン・カルボニックを100%使用しています。マセラシオン・カルボニックは、ボージョレ地区で軽くフルーティなワイン造りに使われることで知られていますが、レイモンはフルボディで生き生きとしたワインを造ることに成功しています。
葡萄の樹の枝を組み合わせて、フリーランジュース用のフィルターに使っています。軽い清澄の後に、粗いフィルターを通します。無濾過よりも、この方がワインに香りが残るからです。古い時代のものが、いま逆に新しく新鮮で、オリジナリティに溢れているように感じられます。もちろん、ビックリする程おいしいことは、言うまでもありません。
栽培方法はオーガニック
除草剤は一切使用しておらず、銅と硫黄のみを使用。認証は取得していませんが基本的にはオーガニックです。有機栽培のレベルでいうと、既に認証が下りるそうですが、認証などの手間のかかる作業よりも、ワインに時間を使いたいとのことです。