シャトー・デ・ゼサール レ・フラン 2017
樹齢は30年の区画と25年の区画があります。畑の向きは東西に向いておりワイナリーがある丘の上にあります。
『私にとってカベルネ・フランは大好きな品種にひとつです。近年、温暖化の影響で熟した葡萄が収穫できるようになり、柔らかい果実味が出て、青っぽいニュアンスが抑えられるようになりました。フレッシュでミントのテイストがあるのが特に好みで、それをイメージして造っています。』パスカル・キュイセ氏談。
テイスティング・コメント
深みのある濃いルビーレッド。ブラックベリーやブラックチェリーに熟した赤い果実の香り。そしてイチジク、特徴的なミントの香りとドライハーブ、ブラックペッパー、タバコ、ダークチョコ、カカオのヒント。口に含むとフレッシュでスムーズ。表現豊かな果実味がまろやかに広がりタンニンはキメ細かくボディに溶け込んでいる。力強く濃厚な味わいながら繊細さを合わせ持ち、調和のとれた上品な酸が味わいを支える。たっぷりとした風味となめらかさが魅力のフルボディ。程よい渋みとコクがあり充実した飲み応え。合わせるお料理はローストビーフ、ロースカツ、ジビエ、炭火焼鶏、鰻の蒲焼、ピーマンの肉詰め、茸料理など。
2020年3月試飲
シャトー・デ・ゼサール
飲む人には、ワオッ!と言って欲しい
会う度に、数々の名言を生むパスカル氏。ワイン造りについても、多くを語ってくれます。
『キーワードは、「オープンマインド」。偏見を持たずに、世界の素晴らしいワインに触れることが出来た。また、革新的なワイン造り(スキンコンタクト、夜間の収穫)を始められた。「自由であること」。ビオディナミ、オーガニック、様々な農法がある。どれも否定しないが、ひとつだけで完璧なものはない。葡萄、品質に良いと思えば取り入れる。「コストパフォーマンス」。人々は昔より世界中のワインを知っている。ラベルやブランドでワインを買う人は減っている。個人的にも様々なワインを買い、消費者の目線になって考えている。ワインの値段は、多くの人が買えるものでなくてはいけない。』(2013年来日)。
『私はワイン造りでは絶対に金持ちにならないし、なれない。なぜなら、こんなハイコストパフォーマンスのワインをこの地域で他に誰が造っているのだろうか?それが私の絶対的自信である。それが出来るのは、私がワインの仕事自体がとても好きだからであり、また職人にはなれるがビジネスマンにはなれないからだ。21世紀はもうテクノロジーの時代ではない!そもそも私のワインはテクノロジーに頼らない!そのために葡萄造りにひたすら専念する。
つまり化学肥料を一切使わないで畑の土にできる限り手をかける。それが私の意味する自然を尊重することに他ならない。私は、ワイン造りは90%が自然の力によるものだと信じている。そして残りの10%は理解できない未知の部分を持つ。私にはその10%の未知の世界が面白くてしかたがない。私のワインはどこのコピーでもない、私のワインなのである。それはまるで料理つくりと同じである(注:彼はかつて料理人でした)。よい材料が肝心で、さらに個々の料理人の味わいが出る。テクノロジーに頼ると品質が画一化してしまう。私は最高の畑を持っているし、自然だけを相手に働くので、各品種が個々の個性をもったよいフルーツを造ってくれる。』(オーナー:パスカル・キュイセ氏談)