ベルンハルト・コッホ リースリング・ゼクト ブリュット 2019
瓶内二次発酵で造る本格ゼクトです。畑は南西向きで、標高182mです。手摘みで収穫します。発酵はステンレスタンクで18-21度にコントロールしながら行います。そのままステンレスタンクで6ヶ月熟成させます。その後、瓶詰めして15ヶ月瓶内二次発酵させます。フレッシュ&フルーティーな泡で、お祝い事にぴったりのゼクトです。
テイスティング コメント
パールがかったレモンイエローにグリーンのトーン。キメ細かな泡立ち。香りはグリーンアップルやライム、パインなどフレッシュフルーツのアロマに、スイカズラ、花の蜜、白桃のタルトを想わせる。そしてややスモーキーなミネラルのヒント、僅かに塩気も感じられ洗練された趣がある。口に含むと爽やかでクリーミー。リースリングの特徴である華やかさ・繊細さを真に体現しており辛口にして仄かな甘みを伴う。果実味に溢れるもキレのよいすっきりとした喉越しでドライ&チャーミング、果実味と酸とのバランスに優れている。染み入るようなコクと程よくボリュームある味わい。僅かに感じるミネラルのほろ苦さが味わいに深みを与える。合わせるお料理は、アペリティフはもちろん前菜、酢の物、寿司、甲殻類や魚介料理、フルーツの盛り合わせなど。
2019年8月試飲(2016年ヴィンテージ)
ベルンハルト・コッホ

ファルツのハインフェルトにある家族経営のワイン生産者です。これまでは国内(近隣)の個人客への販売がほとんどで、輸出は行っていませんでした。
南ファルツは、粘土石灰質土壌のため、ピノ・ノワール、シャルドネ、ヴァイスブルグンダー、グラウブルグンダーなどに力を入れています。他にも、ドルンフェルダーやカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロを植えており、20品種以上を手掛けています。生産比率は、赤白各50%ずつです。
日本人ケラーマイスター
ケラーマイスターは日本人の坂田千枝さんが勤めています。兵庫県出身。兵庫県は果樹が豊富な県で、幼い頃より果樹栽培の仕事をしたいと考えていたそうです。
「地元の農業高校に進学し、17歳の時にドイツにホームステイへ行きました。それがきっかけとなり、高校卒業後、ドイツへ行くことを決心しました。」と坂田。その後、ドイツの職業訓練カリキュラムを進み、ゲオルグ・ブロイヤー(ラインガウ)で9ヶ月、マイヤー ネーケル(アール)で3年間の研修の後、国立ヴァインスベルク醸造栽培学校でさらに専門的な知識を学び、ケラーマイスターの資格を取得しました。
「自分は日本人の女性で、ドイツの人たちに比べ体も小さく、12~13歳の頃からトラクターに乗ってワイナリーの仕事を手伝っている彼らとは大きな差がありました。畑作業の手伝いだけではお給料も少なく、この先どうしようと考えたときに、醸造の道へ進むことを決めました。醸造のクラスでは25人中、女性は自分一人でした。また、フランスへ日本人の女性がワイン造りに行くことはありますが、ドイツに行く人はほとんどいません。そのためドイツでワイン造りに携わることを考えていた私は、募集のあったベルンハルト・コッホへ入りました。その後、ケラーマイスターとして働くようになり、ケラーマイスターとして現在まで6年間勤めています。ベルンハルトから学んだことは『お客様が求めるワインをつくること』。自分一人でセラーを担当しており、ベルンハルトは私が希望することをやらせてくれます。ピノ・ノワールやシャルドネの収穫時期は自分も畑に出ます。」と坂田さん。
こだわりのワイン造り
ワインのベストな状態を考えて、添加物は極力加えないようにしています。赤は基本的にノンフィルター、白はベントナイト処理を行わないようにしています。低価格帯のワインにも1つ1つたんぱく質沈殿率のチェックを行っています。「低価格帯のワインも、上級クラスのワインにも同じ労力をかけています。」と坂田さんは語ります。酵母は選別酵母ですが、2009年にブルゴーニュ スタイルのピノ・ノワールを造り始めて以来、2013年頃から「ヴィヌム」や「ゴーミヨ」などのワインガイドに掲載されるようになりました。ブルゴーニュのピノ・ノワールが好きで、それに近づけていきたいと考えています。