バターフィールド コルトン ブラン グラン クリュ 2018
割れた石がミネラルへの道を与え、繊細なオークと一緒になるというブルゴーニュの歴史を思い起こさせるようなノーズ。
熟成:バリック18ヶ月後、ステンレスタンクで澱と共に2ヶ月
テイスティング コメント
明るいゴールドに僅かなグリーンのトーン。香りはアプリコットやピーチ、マンゴーなど完熟果実のアロマにリンゴのコンフィやシナモン、アニス、蜂蜜のヒント。そして繊細で心地よい樽のニュアンスにバニラや焦がしキャラメル、ヘーゼルナッツの香りが広がる。他にトリュフやバター、塩気、スモーキーなミネラル、火打石の香り。口に含むとスムーズでしなやか。リッチでふくよかなボディをもつ濃密な味わいながら、実にエレガントで、見まがうことのないグラン・クリュたる存在感。酸味は穏やかで調和がとれており精緻なミネラルが織りなす美しい構造・奥行をもつ。大らかで包み込むようなキャラクター、気高さと凝縮した味わいに酔いしれる。充実感がありそのフレッシュさが素直に美味しい。もちろん熟成のポテンシャルも秘め、余韻が長く持続性がある。合わせるお料理は、魚介の鉄板焼き、ブール・ブランソースを添えたエビや鯛のロースト、鶏肉のクリーム煮、ふぐ、寿司、白身魚の天ぷらなど。
2019年11月試飲(2017年ヴィンテージ)
バターフィールド
トロント出身のデイヴィッド バターフィールドのワインに対する情熱は、ブルゴーニュの土地とワインをこよなく愛する両親から受け継いだもの。16歳で初めてブルゴーニュを訪れた時、「決して後ろを振り返るまい。偉大なワイン造りは自分の目標なのだ」と決意したといいます。
後にデイヴィッドはフランスに渡り、まずボーヌの醸造学校で醸造を学んだ後、ドゥー モンティーユ、ドメーヌ ド シャソルネイ等で更なる修行に励みました。そして、2004年にネゴシアン業を立ち上げ、2005年に念願の自らの手によるワインをようやく世に送り出すことに成功しました。彼の考えるワイン造りとは、テロワールの本質を得る事。「テロワールのエネルギーがワインの中に入っている事が重要で、そうでなければ意味がない」とまで言い切るこだわりよう。
そんな彼が初ヴィンテージでいきなり素晴らしいワインを造りあげました。生産本数わずか2400本。彼の想いが詰まった、これぞまさにムルソーと感じさせるアロマが口中に広がる、舌触りの良いワインが出来上がりました。ワイン生産者なども集うボーヌのレストランでは既に人気を博しており、大半がボーヌ内で消費され、翌年以降もボーヌ以外では見かける事が難しいワインとなってしまいました。ユニークなラベルの形の『B』は彼の想いである “Beaune”、 “Beautiful”、 “Butterfield” の頭文字を表しています。彼の『ボーヌの美しさ』を追求する情熱が詰まったこのワインは、今後も期待を裏切る事無く成長を続けることでしょう。
栽培方法
ボーヌ ブレッサンドやムルソーの一部など、一部の区画ではビオロジックの栽培を採用。それ以外はリュット レゾネによる栽培。
醸造方法
白においては、フレッシュさを残すため、部分的にマロラクティック発酵を行わない。約12ヶ月間(プルミエ クリュは18ヶ月)の樽熟後、軽く清澄し、フィルターをかけ、瓶詰します。また、赤においては、ブドウの90~100%除梗。区画ごとに醸造・熟成を行います。瓶詰前にフィルターはかけません。