バターフィールド ボーヌ プルミエ・クリュ レ・トゥロン 2017
トゥロンはボーヌのちょうど中央から東よりに位置する区画です。力強さとフィネスを合わせ持つことで知られており、ボーヌの中でも最良の区画の一つとみなされています。
熟成: バリック15ヶ月後、ステンレスタンク3ヶ月
テイスティング・コメント
鮮やかなルビーレッド。魅惑的なラズベリーやクランベリー、レッドチェリーの香りに、気品漂うフローラルノート。そしてローズヒップ、シナモン、紅茶、鉄、木樽由来の白檀、下草のニュアンス。味わいはスムーズで、ピュア。非常に綺麗な果実味が伸びやかに広がり若々しいが落ち着いた印象がある。ジューシーかと思えば一方で、幾分ドライ感があり艶やか。2017年ヴィンテージはなまめかしく、まっすぐで、ビロードのような滑らかさが特徴。瞼を閉じれば、透明感のある清らかな情景が思い浮かぶ。まさに「風光明媚」なピノ・ノワール。合わせるお料理は、牛フィレや鴨肉のロースト、赤身魚のカルパッチョ、寿司、シャルキュトリなど。
2020年3月試飲
バターフィールド
トロント出身のデイヴィッド・バターフィールドのワインに対する情熱は、ブルゴーニュの土地とワインをこよなく愛する両親から受け継いだもの。16歳で初めてブルゴーニュを訪れた時、「決して後ろを振り返るまい。偉大なワイン造りは自分の目標なのだ」と決意したといいます。
後にデイヴィッドはフランスに渡り、まずボーヌの醸造学校で醸造を学んだ後、ドゥー・モンティーユ、ドメーヌ・ド・シャソルネイ等で更なる修行に励みました。そして、2004年にネゴシアン業を立ち上げ、2005年に念願の自らの手によるワインをようやく世に送り出すことに成功しました。彼の考えるワイン造りとは、テロワールの本質を得る事。「テロワールのエネルギーがワインの中に入っている事が重要で、そうでなければ意味がない」とまで言い切るこだわりよう。
そんな彼が初ヴィンテージでいきなり素晴らしいワインを造りあげました。生産本数わずか2400本。彼の想いが詰まった、これぞまさにムルソーと感じさせるアロマが口中に広がる、舌触りの良いワインが出来上がりました。ワイン生産者なども集うボーヌのレストランでは既に人気を博しており、大半がボーヌ内で消費され、翌年以降もボーヌ以外では見かける事が難しいワインとなってしまいました。ユニークなラベルの形の『B』は彼の想いである “Beaune”、 “Beautiful”、 “Butterfield” の頭文字を表しています。彼の『ボーヌの美しさ』を追求する情熱が詰まったこのワインは、今後も期待を裏切る事無く成長を続けることでしょう。
栽培方法
ボーヌ・ブレッサンドやムルソーの一部など、一部の区画ではビオロジックの栽培を採用。それ以外はリュットレゾネによる栽培。
醸造方法
白においては、フレッシュさを残すため、部分的にマロラクティック発酵を行わない。約12ヶ月間(プルミエ・クリュは18ヶ月)の樽熟後、軽く清澄し、フィルターをかけ、瓶詰します。また、赤においては、ブドウの90~100%除梗。区画ごとに醸造・熟成を行います。瓶詰前にフィルターはかけません。