ヒル・ファミリー・エステーツ オノロ・ベラ・オーガニック 2018
ムルシア州のオーガニック認証を受けた畑の葡萄を使用。除草剤や化学農薬は一切使用していません。畑はフミーリャ北部、標高650~700mに位置しています。葡萄の平均樹齢は35年。年間降水量はわずか300mmという非常に乾燥した場所のため、収量は20hL/haと極めて低くなっています。収穫は手摘み。発酵は25度以下にコントロールしながら天然酵母を使い、ステンレスタンクで15日間行います。
ラベルは、フミーリャがとても荒れた岸壁の農地で、何を作るにも難しい土地であることを表しています。
※ヒル・ファミリーがフミーリャに所有するボデガス フアン ヒルで造られます。
テイスティング・コメント
紫がかった濃い目のルビーレッド。ラズベリーやブルーベリー、プラム、ラベンダーの香り。ブラックペッパーやオレガノなどスパイスの香りをアクセントにフレッシュ・フルーティーなアロマが引き立つ。そしてミネラルとスモーク、ココアの香り、ほんのりバルサミコのニュアンスも。口に含むとスムーズでなめらか。生き生きとした酸に支えられた果実味が豊かに広がり、ピュアで、ジューシーな味わいにもドライ感がある。甘さとほろ苦さが絶妙で、ベリー系の風味にピリッと刺激が心地よい。程よい酸度と上品なタンニンが溶け込んでおりバランスと飲み心地の良さがある(ミディアムからフルボディ)。合わせるお料理は、肉・魚のグリル、ソーセージ、野菜炒め、パスタ、ソース料理、シチュー、豆料理など。
2020年3月試飲
ヒル・ファミリー・エステーツ
現当主はミゲル・ヒル。9人兄弟の6番目です。1916年に曾祖父フアン・ヒル・ヒメンスがフミーリャにワイナリーを設立した時から歴史が始まります。その息子(ミゲルの祖父)ゲレロもワイン造りに関わり、孫にあたるゴンザレス(ミゲルの父)が引継ぎ、兄弟とともにワイナリーを強固なものになり、現在に至っています。
ヒル・ファミリー・エステーツでは各地に醸造・販売拠点を設けています。一つのワイナリーを大きくするのではなくて、質の高い小さなワイナリーを複数持つ方が、最終的に品質を高く保て、消費者に喜ばれると考えています。そのため、それぞれのワイナリーは D.O.も醸造責任者も違いますが、その営業活動から運営のコンセプトに至るまで、まるで一つの会社のように成り立っているのです。80%が輸出で、スペイン国内向けは20%です。
グループのワイナリーの共通のコンセプト
1.土着品種にこだわる
2.古い樹齢の保護と伝承
3.知名度は低くても、伝統的な上質なワイン地域への参入
ミゲルはセラー全体の設計も行ないます。「簡単で効率の良い作業」「働きやすい環境」「コストを抑えること」を念頭に入れて設計しました。全てのワイナリーが、建物全体を温度コントロールできるようになっており、さらに部屋単位で冷房・暖房を入れ替えられるようになっています。