ヴェレノージ ラクリマ・ディ・モッロ・ダルバ・スパリオーレ 2014
畑はアンコーナにある標高100m~150mの自社畑で、主に粘土質土壌。植密度は5,000本/haです。ラクリマは非常に個性的な特徴をもつ品種で、果皮が薄いため熟した葡萄の実からはまるで、涙を流す様に果汁がこぼれ落ちます。これがイタリア語で“涙=ラクリマ”と呼ばれる所以です。除梗後、発酵前に3日間低温マセラシオン。ラクリマが持つフルーティで花のような香りを引き出すために、約100hlのステンレスタンクで、約20度に保ちながら約20日間、醸しを行います。
【テイスティング・コメント】
紫がかった濃いルビー。粘性は中程度。香りにはストロベリーやブルーベリー、チェリーリキュール、バラ、スミレ、ラベンダーなどの華やかなアロマ。ローズヒープやピンクペッパーなどのスパイスのノートをアクセントにアールグレイやハーブティーのようなヒント、上品な香りの中にも野性味が感じられる。アタックはなめらかで果実味が豊か。香りの要素がそのまま味わいとなり果実由来の自然な甘さがあるがしっかりとドライで、ソフトかつ味わいが充実している。バランスのとれたタンニンと酸味が綺麗に溶け込んでおりアフターにふくよかなフレーヴァーの広がりをもつ。香りから風味、余韻にまで一貫性がある。合わせるお料理は仔羊や鶏肉の香草焼き、豚肉の生姜焼き、ミートソースのパスタやピッツァ、カニクリームコロッケ、ラタトゥイユなど。
※2018年1月試飲
■ヴェレノージ
ヴェレノージは、イタリアのアドリア海沿岸のほぼ中心に位置するマルケ州のアスコッリ・ピチェーノ地方でワイン造りを行う、注目を集める生産者です。父の自家用のワイン造りを小さい頃から手伝っていたエルコレが、抑えきれない情熱とともに始めたワイン造りは徐々に拡がり、現在では105haもの葡萄畑となりました。かつては「無口な職人エルコレ」というイメージでしたが、今は20名の若いスタッフが協力して品質向上に努めるチームとなっています。エルコレはテイスティングやワインの総合管理を行い、個々のワインには担当者がいて、全ての決定はスタッフ全員で行っています。
2002年6月から、トスカーナ出身のトップエノロゴ、アッティリオ・パリをコンサルタントに迎えました。かの著名なワイン評論家ロバート・パーカー Jr.は「ワインアドヴォケイト、152」で、アッティリオ・パリの参加について『重要な動き』として言及し、『マルケ南部のリーダー的生産者となりつつあることを確信している。』と書いています。
日当たりのよい斜面の畑から注意深くデリケートに栽培された葡萄を、各ワインのタイプにとって、最もアルコール含有量が適当となる糖度の時期に収穫します。また、ワインへの醸造は生産サイクルの重要なプロセスです。畑での作業の結果を十分生かすため、コンピュータ管理された温度コントロールした醸造方法、ソフトでデリケートなダメージをもたらさないプレス、ワインの種類によって様々なサイズや種類のステンレスタンクやオーク樽を使い分ける熟成が、色、味、ブーケ、アフターがパーフェクトなバランスの品質につながります。
ロッソ ピチェーノの最良の生産者として掲載
エルコレのワインはすでに国内外で高く評価され、ヒュー・ジョンソンの「ポケットワインブック」ではロッソ ピチェーノの最良の生産者として、イタリアワインのガイドとして名高い「ガンベロ・ロッソ」でも好評価を得ています。ほとんどのイタリアワインが集う展示会ヴィニタリィの品評会や、その他国内外の品評会でも毎年のように受賞しています。