ブリュンデルマイヤー シャルドネ 2015
バリック熟成のシャルドネ100%。
【テイスティング・コメント】
微かにグリーンがかった淡いイエロー。粘性は中程度。香りにはメロンやリンゴ、洋梨、グレープフルーツ、ライムの皮、花梨などの華やかなアロマに樽からくるバニラや焦がしキャラメル、ローストしたオークの香りがアクセント。そしてマッシュルームやナッツの香りが続き複雑性があり、ミネラルのニュアンスが洗練さを与える。石灰や鉱物、心地よい塩気を伴い品の良いまとまりがある。アタックはなめらかで新鮮味に溢れた果実味が伸びやか。ミネラルを含み、シトラスやグリーンアップルのような綺麗な酸を感じるエレガントなスタイルで旨みはもちろんのこと幾分軽やか、実直な個性が好印象。甘い果汁分とグレープフルーツの皮のような苦味とのバランスが素晴らしい。ミネラルをバックボーンとする繊細で控えめなボディと、引き締まっていてフィネスを持ち合わせたそれはまさに上質なピュリニー・モンラッシェを思わせる。合わせるお料理は、白身肉料理、アワビの蒸し焼き、クリーム系のマッシュルームのパスタやリゾット、野菜の天ぷらなど。
※ 2017年9月試飲
■ブリュンデルマイヤー
『ワインプロフェッサー』の異名を取り、研究熱心な事で知られる ヴィリー・ブリュンデルマイヤー氏は、若い頃フランスで修行を重ね、最新の醸造技術を学びました。収得した剪定法やリラ方式(オーストリアでは初めての方法、一本の葡萄樹をY字型に上方に伸ばす事で光と空気の通りをよくし高品質の葡萄を育てる)と呼ばれる葡萄栽培法、無農薬栽培を実践。セラーでは制限的な醸造を行ない最近の傾向としては、ボディのしっかりとした凝縮感のあるワインを造りだしています。
ヴィリー・ブリュンデルマイヤーは、今日あらゆる面においてオーストリアのワインシーンにおけるリーダー的存在になっており、葡萄畑とセラーにおける妥協のない品質追求により、世界で競争可能なトップクオリティーのワインを生産することが可能であることを証明しています。
ワイングート・ブリュンデルマイヤーにおける中核はブドウ畑
ブリュンデルマイヤーが所有するブドウ畑のほとんどはテラス状で、車が通れるところから離れた場所にあります。土壌そして局地気候の条件は畑によって実に様々です。ブドウ畑では、緑肥、牛フンそして植物の廃棄物のコンポストといった有機肥料しか使っていません。天然資源である土、太陽、水、植物を単純にそして賢く使っています。人は仕えそして改良はしますが、前面に出るようなことはしません。疲弊したブドウ畑は、木を伐採して根を掘り起こし、新たに若木を植えるまでに、土壌の体力を回復させるために5年間は利用しません。ブドウ畑の周囲には小さな水場を造り、これによって浸食を防ぎ局地気候を改善します。化学除草剤は一切使っていません。
最も重要なブドウの品種:グリューナー・フェルトリーナー
ワイナリーの中で最も重要なブドウの品種と言えば、ランゲロイス周辺で採れるグリューナー・フェルトリーナーです。もともとは方言で「マウハーツレーベ」と呼ばれ、ヴァルトフィアテルの端の山の背、南傾斜地にランゲロイスとゼービングが位置するマンハーツベルクの周囲で生息していたブドウから由来しています。飲みやすい「軽くて辛口」なものから、ケーファベルクあるいはラムといった非常に複雑で長熟なものまで、グリューナー・フェルトリーナーは実に様々な性格を持っています。他のどの品種のブドウよりも、畑の個性がはっきり表れるワインです。世界ソムリエコンクールで優勝しているフランス人のオリビエ・プシエは「ラムは、信じられないほどの厚みとフレッシュさを持ったパーフェクトに醸造されたワイン。ヴィリー・ブリュンデルマイヤーはおそらくオーストリアで一番のグリューナー・フェルトリーナーを育てている!」と語っています。