ファルネーゼ ドン・カミッロ 2018
モンテプルチアーノよりタンニンの柔らかい、アブルッツォのサンジョヴェーゼの良さが感じられるワイン。除梗、破砕をし、20日間でマセラシオンします。その後、マロラクティック発酵と熟成はフレンチバリックで4〜6ヶ月行います。フルーツやペッパーを感じさせるアロマとバランスのとれた適度な樽香が、複雑な風味を出しています。
テイスティング・コメント
艶のある濃い暗赤色。ブラックベリーやカシス、チェリーの香り。ジャムやリキュールを想わせる濃縮感が漂い、スミレやブラックペッパー、リコリス、微かにミントのヒント。さらにバニラやチョコ、コーヒーなど心地よい樽のニュアンスが感じられる。口に含むとスムーズでなめらか。たっぷりとしたジューシーさに、もぎたての果実をほうばっているかのようで、濃厚な印象にも過熟感が無い。フレッシュで、上品な酸が味わいの輪郭を形成しタンニンはキメ細かく質感がある。ボディはふくよかで、何よりバランスが良い。アフターフレーヴァーに果実とアーモンドの香味が交差する。パワフルで親しみやすく、純粋に美味しい。合わせるお料理は、サラミ、鶏肉のマレンゴ風(トマトとにんにく入りの鶏の白ワイン煮)、ミートローフ、仔羊のロースト、トマトソースベースの肉料理、麻婆茄子など。
2019年7月試飲
ファルネーゼ
「ファルネーゼ」が設立されたのは1994年ですが、ファルネーゼ家がワイン生産に携わったのは1582年(オルトナ市にて)に遡ります。その昔、当時のファルネーゼの王子と結婚したオーストリアの王女マルゲリータがこの地を訪れた時、そのすばらしい風景と気候に我を忘れ、この地で生活することを決心し、質の高いワインを造るため、この土地に身を捧げました。そしてそのワインは間もなくヨーロッパの王室のテーブルに現れることとなったのです。
自家所有葡萄園は合計で150haあり、モロリバー・ヴァレーの北側の斜面に位置し、それは太陽の恵みを受けるために最高の条件であることを意味しています。そして高度9000フィート、海から18マイルのところにあるマレイア山脈は、高品質のワインを産み出すために理想的なミクロクリマを産み出します。また、買い葡萄は、農家と5年単位で契約。量で買い取るのでなく、4、5月にアグロノミストが畑を回り、良い畑をha単位で買い取ります。1軒当たり平均2haと大きくないため、量より質を重視した栽培が出来、収穫も良いタイミングで出来ます。ファルネーゼは、収穫量を制限し最新技術と伝統的な手法をうまく組み合わせ、コストパフォーマンスに優れたワインを産出しています。例えば、全ての樽のラックにはローラーが付いており、1ヶ月に1回樽を回してバトナージュと同じ効果を得ています。
ワインは、数々のワインコンクールで高く評価され、国際的にその名を知られています。さらに、カンパーニャのヴェゼーヴォ、シチーリアのザブを所有しており、バジリカータのヴィニエティ・デル・ヴルトゥーレ、プーリアのフェウディ・ディ・サン・マルツァーノに出資しています。いずれのワインもそれぞれの名前で出荷されています。
ルカ・マローニで、幾度となく最優秀生産者に選出される実力派
価格と品質と両面からの評価による、『消費者向けのイタリアワインガイドの決定版』ともいえる辛口ワイン評価誌『ルカ・マローニ(ANNUARIO DEI MIGLIORI VINI ITALIANI)』で、幾度となく最優秀生産者に選出されるアブルッツォ州を代表する生産者です。ファルネーゼは何度も生産者の頂点に君臨し、数々のワインコンクールで高く評価され国際的にその名が知られています。