ファルネーゼ ファンティーニ エディツィオーネ チンクエ アウトークトニ No.21 (2019)
ヒュー・ジョンソンの「何故土着品種で偉大なワインを造らないんだ?」という言葉から生まれました。エディツイオーネは「(書籍などの)版」、チンクエ・アウトークトニは「5種類の土着の葡萄品種」の意味です。海抜500mのアブルッツオの畑から、58年樹齢のプーリアのサヴァ村にある畑に至るまで、ユニークで樹齢が古く高品質の葡萄が出来る畑を選びました。プリミティーヴォは、樹齢が100年近く、実を2〜3ヶ月樹の上で乾燥させることでより味わいを凝縮させます。5種類の葡萄は別々に醸造・熟成します。マセラシオンとアルコール発酵は25日間。マロラクティック発酵はバリックで行い、その後12〜14ヶ月熟成させています。樽は60%アメリカンオーク、40%がフレンチオークで、いずれもライトローストです。また新樽~2年樽を使い、割合は熟成具合を見て、随時判断します。初リリースは1999年。2つの州からの葡萄を使っているためイタリアの法律上ヴィンテージは表示出来ず、代わりにエディションナンバーが付けられています。「11」は2009年産、「10」は2008年産となります。
No.12(2010Vt) ビベンダ2013:5房獲得
No.12(2010Vt) ルカ・マローニ ベストワイン年鑑2013:97点獲得
テイスティング・コメント
輝きのある紫がかった濃いガーネット。黒みが強く深い色調、粘性は高め。香りには完熟したブラックベリーやラズベリー、カシスのコンポート、プルーン、スミレ、シナモンやクローブなどのスパイスが混じり合い、トースティなオークの香りがアクセント。バニラやモカ、ココアパウダー、チョコなどの深い香り、煮詰めた糖、タバコ、土、ミネラルのニュアンスが複雑性を与える。アタックはソフトでなめらか。果実味は凝縮度が高く、濃厚で、ブラックベリーやブラックチェリー、プルーンを思わせエキス分が豊か。スパイシーかつ香ばしいオークの要素がリッチな奥行を生み、インパクト抜群のジューシーな果実感で満たされる。アルコール感のあるしっかりとした酒質はさることながら驚くほどに柔らかなタンニンが溶け込み、しっとりとした舌触りを持つ。新鮮味に溢れた辛口、残糖感を伴い、香味の広がりが素晴らしい。包み込んでくれるような温かさ、包容力があり、余韻も持続性がある。今飲んでも美味しく、さらなる熟成も大いに期待できる。
ファルネーゼ
「ファルネーゼ」が設立されたのは1994年ですが、ファルネーゼ家がワイン生産に携わったのは1582年(オルトナ市にて)に遡ります。その昔、当時のファルネーゼの王子と結婚したオーストリアの王女マルゲリータがこの地を訪れた時、そのすばらしい風景と気候に我を忘れ、この地で生活することを決心し、質の高いワインを造るため、この土地に身を捧げました。そしてそのワインは間もなくヨーロッパの王室のテーブルに現れることとなったのです。
自家所有葡萄園は合計で150haあり、モロリバー・ヴァレーの北側の斜面に位置し、それは太陽の恵みを受けるために最高の条件であることを意味しています。そして高度9000フィート、海から18マイルのところにあるマレイア山脈は、高品質のワインを産み出すために理想的なミクロクリマを産み出します。また、買い葡萄は、農家と5年単位で契約。量で買い取るのでなく、4、5月にアグロノミストが畑を回り、良い畑をha単位で買い取ります。1軒当たり平均2haと大きくないため、量より質を重視した栽培が出来、収穫も良いタイミングで出来ます。ファルネーゼは、収穫量を制限し最新技術と伝統的な手法をうまく組み合わせ、コストパフォーマンスに優れたワインを産出しています。例えば、全ての樽のラックにはローラーが付いており、1ヶ月に1回樽を回してバトナージュと同じ効果を得ています。
ワインは、数々のワインコンクールで高く評価され、国際的にその名を知られています。さらに、カンパーニャのヴェゼーヴォ、シチーリアのザブを所有しており、バジリカータのヴィニエティ・デル・ヴルトゥーレ、プーリアのフェウディ・ディ・サン・マルツァーノに出資しています。いずれのワインもそれぞれの名前で出荷されています。
ルカ・マローニで、幾度となく最優秀生産者に選出される実力派
価格と品質と両面からの評価による、『消費者向けのイタリアワインガイドの決定版』ともいえる辛口ワイン評価誌『ルカ・マローニ(ANNUARIO DEI MIGLIORI VINI ITALIANI)』で、幾度となく最優秀生産者に選出されるアブルッツォ州を代表する生産者です。ファルネーゼは何度も生産者の頂点に君臨し、数々のワインコンクールで高く評価され国際的にその名が知られています。